1:29:300の法則
1:29:300の法則(ハインリッヒ、ハインリッツの法則)とは、1つの大きな失 敗の背景には、お客様から寄せられたクレームで明確になった29の小さな失敗が あり、さらにその裏には表立ったクレームには至らなかったものの社員自身が「ヒ ヤリ」「ハッと」する300のミスが必ず存在するという法則。
「ハインリッヒの災害トライアングル定理」、「傷害四角錐」とも呼ばれるこの法 則は、ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒ(Herbert William heinrich)が、 調査に基づいて、1つの失敗の発生確率を統計学的に調査し、図示したものである。
また、全ての失敗の裏には、数千以上もの「不安全行動」と「不安全状態」と呼ば れる危険な行為や状態が存在することも指摘している。
小さなミスを防ぐことができれば、大きな失敗を防ぐことができること、また不安 全行動と不安全状態をなくせば、事故や災害もなくすことができるなど、今日まで 続く労働環境の教訓に言及している。
1:5の法則
1:5の法則とは、新規のお客様を獲得するには、既存のお客様の5倍のコストがか かるという法則。
新規顧客は獲得コストが高いにもかかわらず利益率が低いので、新規顧客の獲得以 上に、既存顧客の維持が重要であるという考え方である。
既存顧客は、一度商品を購入しているため、少ない獲得コストで再度商品を購入す る可能性の高い存在である。
そのため、既存顧客は中長期的に商品を購入し続ける 生涯顧客となる可能性が高く、企業に対してのロイヤルティーが高い顧客ほど、時 間の経過とともに大きな利益をもたらす可能性が高いと考えられる。
既存顧客向け のキャンペーンや、メールマガジンを配信するなど、既存顧客の再購入を促す販促 活動が求められる。
しかし、企業が事業拡大していくためには、将来的な利益をもたらす新規顧客の獲 得も重要な要素となるため、既存顧客の維持と両方のバランスを上手く取ることが 大切である。
3C
3Cとは、Customer(市場、顧客) Competitor(競合) Company(自社)の頭文 字をとったもので、3つのCを念頭においたマーケティング分析のこと。
まず、Customer(市場、顧客) では、自社の商品を購入する可能性のある顧客は どのような層であるのか、という分析が必要となり、その市場での潜在顧客や、市 場規模、成長性、顧客ニーズなどを分析する。
次に、Competitor(競合)では、潜在・顕在している競合の数や、競合の製品・ サービス、強み・弱み、経営資源を分析することが挙げられる。
最後に、Company(自社)では、自社の経営資源や事業活動における現状、製 品・サービス、技術力、販売力、売上、シェアなどを分析する。
3Cは、これらを定量的・定性的に分析することによって、経営課題の発見や、事 業戦略の策定に活用することができるマーケティング分野における基本的なフレー ムワークである。
4C
4Cとは、Consumer value(顧客価値) Cost(価格) Convention(利便性)Communication(コミュニケーション)の頭文字をとったもので、顧客の視点を 重視したマーケティングの考え方。
ロバート・ローターボーン(Robert F.Lauterborn)が、これからの時代のマーケ ティング手法として、商品を企業が考え市場に売り込むプロダクトアウトではなく、 消費者のニーズから始まるマーケットインの戦略である4Cを提唱した。
Customer Value(顧客価値)で、製品・サービスが顧客にどんな価値があるかを考 えることが最初のステップとなり、Cost (価格)では、その価値を得るためにどれ くらいの金額になるかを考える。
Convenience(利便性)では、顧客がどれだけ容 易にその価値を得ることができるかを考え、最後にCommunication(コミュニケー ション)では、企業側の意思が顧客に伝わっているか、また顧客の声が企業に届い ているかを考えることが必要となる。
4P
4Pとは、Product(製品) Price(価格) Promotion(プロモーション) Place(流通)の頭文字をとったもので、マーケティングを構成する4つの要素のこと。
マーケティング戦略において、4Pを組み合わせて自社にとって望ましい反応を市 場から引き出すことを、「マーケティング・ミックス」と呼ぶ。
Product(製品)では、「何を売るか?」という「製品戦略」を考え、製品やサー ビスを企画し、開発する活動を行う。
Price(価格)は、「いくらで売るか?」と いう「価格戦略」であり、競合や市場の価格、売上、利益を考慮したうえで最適な 価格設定を行う。
Promotion(プロモーション)は、「どのようにして知ってもら うか?」という「プロモーション戦略」であり、ターゲット顧客や販売スタイルに あわせて、どのような方法で製品やサービスの存在を知らせるのかということを考 える。
Place(流通)は「流通戦略」であり、「どこで売るのか?」を考え、ター ゲット顧客に対して流通経路や納期、入手のしやすさなど、いかに最適に製品や サービスを提供できるかという点を考える。
5:25の法則
5:25の法則とは、顧客離れを5%改善すれば、その利益率は25%改善されるとい う法則。
中長期的戦略からみれば、顧客維持率・離反率と新規顧客獲得のバランスを充分に 考慮したうえで、計画的な施策を実行していくことが重要である。
新規顧客に商品を販売するためには、既存の顧客に商品を販売する時の5倍のコス トが必要になる(1:5の法則)ため、顧客を新規開拓するよりも、現在抱えている 顧客が離反する確率を下げることや、既存の顧客の売上げを増加させることが、企 業の収益をあげるためには重要であるという考え方である。
また、上記の理由以外にも、既存顧客は紹介などを通じて、新たな顧客を連れてく る可能性があることや、次回の購入時に、前回よりも高額な商品を購入する可能性 が高く、既存顧客の離反率を下げた場合に、利益率の向上に繋がることが多い。
そ の他、既存顧客には新規顧客のように商品説明が不要になるケースもあるため、販 売コストが下がることも利益率の増加に繋がる理由にあげられる。